【気管支喘息とは?】
気管支喘息(喘息)はすべての年齢層におこり、現在全国に100万人以上の患者がいると推定されています。その半数は10歳以下で発病、このうち3分の 2は3歳以下、大部分は6歳までに発病しているそうです。また、男児が多く、女児の2倍であると言われています。小学校高学年から中学入学くらいまでにか なりの患者は発作が起こらなくなり、成人になるまでには約半数が起こらなくなります。
成人になってから発病することもあり、男女比はほぼ同じです。これは、結婚・妊娠・出産をきっかけとして発病する女性が増えてくるからです。
【喘息の原因】
さて、喘息の原因ですが、アトピー性と、非アトピー性があり、また、外因性と内因性とでも大別されます。
まず、外因性・内因性について説明します。外因性喘息とは、アレルギー(過敏症)を起こす原因が体外にある場合で、アレルゲン(抗体)としては、室内 塵・花粉などの、息を吸う時に同時に吸い込んでしまうものと、牛乳・卵・ソバなどの食事によって体内に取り込んでしまうものが考えられます。
一方、内因性喘息とは、アレルゲンが明らかではなく、精神神経的な要因が考えられたり、鼻咽喉を含めて呼吸器の感染症などがあげられます。
アトピー性・非アトピー性については表にしておきます。
いずれの場合も、いったん喘息発作を引き起こすと慢性化し、発作を繰り返すことが多いようです。
【喘息の症状】
気管支喘息は、健康な人では何でもない様な刺激が加わっても過剰な反応を起こします。
気管支に刺激が加わると、
1.気管支を取り巻いている平滑筋が痙攣を起こし、気管支が収縮する。
2.気管支の粘膜が浮腫んでくる。
3.気管支粘膜の分泌腺から粘り気の強い粘液が多量に分泌されてくる。
というような過程を経て、最終的に内腔が狭くなり、喘息が起こります。
発作のないときは外見上まったく何もないように見えますが、いったん発作が起こるとたちまち特有の症状が現れます。まず、表情は不安状で蒼白になり、特 有な呼吸困難を訴えます。突然発作を起こすこともありますが、多くはその前の症状として鼻かぜ様症状や胸の圧迫感、乾いた咳・頭痛などがあり、次いで喘息 発作を起こすことが多いようです。
外因性の喘息は、アレルゲンに接すればいつでも起こりえますが、症状は一般に軽度です。内因性の喘息は、多くは夜間、特に明け方に発作を起こすことが多 いです。症状は一般に重く、発作が起これば高度の呼吸困難を訴えます。呼吸数は変わらないか、かえって減少します。
治療としては、発作時と非発作時で薬の種類が変わってきます。また、発作時でも、重症度によって薬の内容や使用方法が異なってきます。
【日常生活での注意点】
喘息発作を起こす様々な原因や運動、心理的ストレスなどにより発作がおきやすくなります。発作を起こさせないためには、発作のないときに発作を起こしに くくするための長期管理薬を使用することと、発作の原因になるような条件を日常生活の中からできるだけ遠ざけること、たとえば、規則正しい生活を送る・禁 煙(本人、家族ともに)・風邪やインフルエンザにかからないようにうがいや予防接種を受ける・冷暖房の使いはじめや温度差に注意するなどが大切になりま す。
2007.04.27