【知っておこう、中高年から始まる関節痛。】
梅雨時期になると、関節が痛みだす中高年者が多くなります。多湿が患部の腫れや痛みをひどくするからです。膝関節の痛みを引き起こす病気には、慢性関節 リウマチ・腫瘍・炎症などがありますが、なかでも多いのが「変形性膝関節症」です。膝の関節には、大腿骨と脛骨が連結しており、滑りのよい軟骨で覆われて いて、関節がスムーズに動くようになっています。この軟骨が擦り減っていく病気が変形性膝関節症で、加齢とともに多くなります。また、肥満の人も膝への負 担が大きく、軟骨の損傷を進めるのでなりやすい傾向があります。
膝の軟骨が擦り減ると炎症を起こし、動くと痛みを生じます。さらに、骨と骨が直接こすれ合うと、骨の変形も生じ、体を動かすことも辛くなり、活動量が低 下してきます。そうなると、関節が硬くなったり、筋肉が痩せ細って関節の安定が悪くなるという悪循環に陥ります。
治療法としては、擦り減った軟骨を元には戻せませんが、病気の進行を遅らせることは可能です。肥満の方は減量を心がけましょう。膝に負担のかかる過激な 運動は避け、膝周りの筋肉を鍛えたり、膝関節の曲げ伸ばしをする運動で、関節が固まるのを防ぎましょう。ぬるま湯で膝を温めるのも効果的です。ほかに、薬 物療法や関節内注射などがありますが、痛みを軽減するためには、まず自分自身で治すという心構えで取り組むことが大切です。
2007.06.01