「熱のはな」は、奥深く~ヘルペス、その種類と対応~
ヘルペス。この一言に凝縮される病気は様々ですが、この言葉を聞くと
どのような症状かは想像がすぐにつくのではないでしょうか。それほど浸透している
一般的な病です。とはいえ病は病。油断せず。今回はその種類と対応についてです。
一、改めて、ヘルペスって何?
ヘルペスとは、ウイルスによる感染症です。「ヒト」と区分けされるヘルペスは
8種類あるとされ、そのうち良く聞かれるものに「単純」と「帯状」とがあり、違う
ウイルスとして考えられます。
これらのウイルスは一旦体の中の神経細胞の中に棲みつきます。怖い話ですが、
一生ものです。そして疲労やストレス、老化などにより体力・抵抗力・免疫力が
弱まると、ひょっこりと顔を出すわけです。
「単純」は接触感染により、現れた水疱に免疫の弱い状態で触れると感染の恐れがあります。
「帯状」は空気感染で広がっていきます。後者は高齢者に多い傾向があります。
二、単純ヘルペスの症状と対処
単純ヘルペスでは、はじめは皮膚が赤くなり、痒みが出たりヒリヒリ感じたりします。
そして小さな粒の水泡ができます。一生もののウイルスですので、何度も再発を繰り返す
やっかいなウイルスです。そして感染力も強く、体のどこからでも出てきてしまうのです。
良くあるのは唇やその周囲にできるもので、優雅に「熱のはな」と呼ばれたりしますが、
当の本人にとっては、うっとうしい極みです。
症状は一週間程度でその水泡が瘡蓋になって自然治癒します。最近は抗ヘルペスウイルス剤
などもあるので、早めの治療によってこの不快なウイルス野郎を退治するのも望ましいです。
三、帯状ヘルペスの症状と対処
帯状ヘルペスは別名「帯状疱疹」とも言います。一生ものというのは既に述べましたが、
普通はこいつと出会うのは一生に一回です。実はそれは、小さい時に誰もがお世話に、もとい
被害にあった「水ぼうそう」なのです。
免疫力が落ちるとこいつと再度出会うことがありますが、もとはこの小さい時のウイルスだと
考えられています。発症範囲が広く、通常は半身ですが、たまに全身に広がります
(小さい時の水ぼうそうは全身ですが、免疫力の弱さによるものでしょう)。
こちらは3~4週間で自然治癒しますが、水疱が出る前に激痛が襲うこともありますので、
早めの治療が大事です。重い症状になって点滴を受けるようなことのないように、発症から
5日以内には医師による処方を受けましょう。
ちなみに、脅かすわけではありませんが、自然治癒だからといってもあまり放っておくと
瘢痕(傷跡のことです)や神経痛が後遺症として残りますので、十分ご注意ください。
ストレスによってヘルペスになり、その痛さでさらにストレスがたまっては悪循環の
スパイラルです。初期治療による早目の退治が肝要です。