水虫予防
~とにもかくにも、清潔に~
今回のテーマは、水虫。この病気は、なった人でないとわからないと思いますが、非常にたちが悪く、なかなか直らず、時と場所を選ばずに突然の痒みが襲います。対処には根気が要りますが、改めてこのやっかいな病気を考えてみたいと思います。
1.あらためて「水虫」とは
有名だとは思いますが、水虫の正体は「白癬菌」というカビの一種です。白癬菌は、皮膚の角質層であるケラチンというたんぱく質を好みます。ケラチナーゼと いう酵素を使って侵食し住み着きます。特に多く発症するのが足です。指と指の間にできるものや、土踏まず、かかとなど、足は水虫の棲家に事欠きません。
2.爪に入るとさらにやっかいに
爪に白癬菌が入ると「爪水虫」になります。爪の中に入り込むと、塗り薬などの薬剤が届きにくくなり、完治が難しくなります。ひどくなると爪がボロボロと剥がれてきてしまいます。この剥がれた爪の中にも白癬菌がいるため、自分や家族にもうつしてしまう可能性が高くなります。
爪水虫に罹ったら皮膚科を受診したり、爪水虫専用の塗り薬などを使って対策しましょう。
3.足だけではない「水虫」、そのしぶとさ
白癬菌は、足以外にも感染します。できる場所によって、頭部白癬(=しらくも)、体部白癬(=たむし)、股部白癬(=いんきんたむし)など呼称が変わります。
白癬菌は、低温乾燥の冬の間には、じっと「冬眠」しながら生きています。そして増殖しやすくなる季節までまっているのです、しぶとくも。
4.予防はできる一~キーワードは24時間
水虫は、白癬菌を伴った他人の垢を媒介して感染します。スリッパや床、絨毯などです。水虫予防は、これらを清潔に保つことです。また、注意すべきは、温泉 や公衆浴場、スポーツジムなど、不特定多数の人が出入りする場所での感染にも注意が必要です。この予防は、靴下を履く前によく足を拭き、帰宅してからも足 を清潔に保てば予防できます。白癬菌の皮膚への定着には、24時間以上かかると言われているため、それまでに洗い流せばいいのです。
5.予防はできる2~足へのこまめな丁寧なケアを
帰宅後に足を洗う際ですが、あわ立てた席巻を素手にとり、足の指や間を丁寧に洗いましょう。軽石などでのゴシゴシ洗いは逆効果です。洗い終われば足の乾燥です。
また、靴は数種類用意し、ローテーションで乾燥させて菌の繁殖を防ぎましょう。
ただ、そもそも水虫は症状や外見だけでは判断しづらく、皮膚科の顕微鏡検査で判明することも忘れないように。自己判断も危険です。他の病気であることも可能性があります。しっかりと正体を見極め、水虫であれば、根気良く退治して快適な足の状態を保つようにしましょう。
2012.07.02