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【高脂血症とは?】
高脂血症とは、空腹時の総コレステロール値が220mg/dl以上(高コレステロール血症)、または同時に血清トリグリセリド(中性脂肪)値が 150mg/dl以上に増加した場合をいいます。生活習慣による高脂血症の多くが前者の高コレステロール血症ですが、最近では総コレステロール値よりも LDL(悪玉コレステロール)の方が心血管リスクとの相関が高く、この値の重要度は下がっています。現在WHO、アメリカ、日本のガイドラインの中で、い まだに総コレステロール値を重視しているのは日本のガイドラインのみだそうです。
ここで、LDL(悪玉コレステロール)とは低比重リポ蛋白の事で、これが血中に140mg/dl以上あると高脂血症と判断されます。LDLはコレステ ロール検査値の中で唯一、心血管疾患の絶対的リスクファクターであり、他の検査値であるHDL(善玉コレステロール)、トリグリセリドと比較して明らかに 重要度が高いとされています。これらとは逆に、HDL(善玉コレステロール)値が低い、相対性の高脂血症があります。それは、低HDLコレステロール血症 と呼ばれ、血液中のHDL(善玉コレステロール)が40mg/dL未満のものを言います。これも心血管疾患の重要なリスクファクターとなり得ます。

【主な要因】

1. 遺伝性
遺伝子異常によるLDLの代謝異常や原因不明のものがあります。
2. 生活習慣
喫煙や飲酒、肥満、食生活の乱れ、運動不足などにより、血液中のコレステロール値が上昇します。
3. 他の病気による二次性高脂血症
甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、糖尿病によるものがあります。他には薬物性(ステロイドホルモン、経口避妊薬)のものがあります。
4. 女性特有のもの
閉経後や妊娠中も血清脂質が上昇するそうです。

【治 療】
原則的には食事療法で、病状によって食事によるエネルギー量を調節したり、糖質や動物性脂肪、アルコールの量を制限したりします。食事のみでは改善でき ない場合は運動療法や、薬物療法も用いられます。運動療法はHDLを増加させ、LDLを下げるような効果もあるようです。薬物による治療も有効ですが、薬 剤治療自体は原因を治療するものではないため中止すればまた以前の値に戻ります。根本的なコントロールには生活習慣の改善が望まれますが、遺伝素因も大き いため必ずしも生活習慣だけで治療できるものではないようです。遺伝性の高脂血症には上述した治療法以外に透析による治療があります。

【ほうっておくと・・・】
高脂血症を放っておくと血管壁にコレステロールが蓄積されて動脈の柔軟性が低下して血管がもろくなってしまいます。この病気を動脈硬化症と言います。こ の動脈硬化症は脳梗塞や、虚血性心疾患などの怖い病気の原因となります。また高脂血症は、高血圧、糖尿病、肥満とともに死の四重奏と俗称され、生活習慣と 密接に関係した病気です。日ごろの生活習慣が、いかに重要かがわかりますね。みなさん、自身の生活を見直してみましょう!

2006.03.24

 

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