11月も半ばを過ぎ、益々寒くなってきましたね。皆様は風邪など引いておられないでしょうか?今回は近頃話題になっている『ヒートショック』について書きたいと思います。
最近、浴室内での死亡事故が大変注目を集めており、その数なんと年間1万人以上!交通事故よりも多いそうです。その大半が12月~2月の寒い時期に最も 多く、その大半の要因が『ヒートショック』によるものだと考えられています。ではその『ヒートショック』とはどの様な事かというと、例えば暖房の効いた部 屋から寒い廊下やトイレ、浴室などに移動した際に急激な温度変化が起こります。この温度変化に対して、体は体温を調節しようとして血管が著しく伸張しま す。その為、血圧が急変動したり、脈拍が急速になる等の負担が体に掛かります。この様な体に及ぼす影響のことを『ヒートショック』といいます。『ヒート ショ
ック』を起こしやすいのは一般的に暖房設備の付いていない廊下やトイレ、脱衣所、浴室などが挙げられます。とりわけ浴室では脱衣所で衣服を脱いで寒い浴室 に入った時の急な温度変化に加えて、熱いお湯に浸かることで更に血圧が上昇し、脈拍は速くなります。その結果、脳卒中や心筋梗塞を引き起こし、お亡くなり になる方が急増しているそうです。特に高齢者の方、高血圧の方、糖尿病や動脈硬化症などを患っておられる方々はより危険性が高く、注意が必要になります。
では、冬時期どの様にして入浴すればよいのか?その対処方法には以下の様なものがあります。
【安全な入浴方法の提案例】
・お湯を溜める際に浴槽のふたを開けながら給湯することで浴室を暖める。
・事前に浴室内全体にシャワーを直接かけて暖める。
・お湯の温度を少しぬるめの40度以下に設定する。
・家族が入った後の暖まった浴室を利用する。
・浴槽に入る前に十分に掛け湯を行う。
・体に負担の少ない半身浴にする。 等々
【注意点】
・入浴時間は長過ぎないようにする。
・入浴前のお酒は飲み過ぎないように控え目にする。
理想は部屋や廊下,トイレ,浴室に至る生活空間全体を暖かい一定の温度に保つことですが、その為にはそれなりの設備が必要になります。そこで浴室に暖房 設備が付いていないという方は、提案例で挙げた様な方法を一度試されてはいかがでしょうか?快適かつ安全にお風呂を利用して頂ければと思います。
2007.11.23