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「風邪をひいて声が嗄(カ)れる」といった経験は誰にでもあるのではないでしょうか?寒さも厳しくなり、風邪をひいてしまったという方も多いでしょう。風邪をひいた後、風邪の症状は治ったけれども、声だけがなかなか戻らない・・といった場合もよくあるようです。

今回は声がれの起こる仕組みについてお話ししていきます。

【声の出る仕組み】
声は、肺から出る呼気(コキ・吐き出す息)を使って、喉頭(コウトウ・喉の辺りにある骨組み)にある“声帯”というをヒダを振動させることで音を出しま す。これが音源になり、その音を口腔(コウクウ・口唇、舌、下顎など)の形を変えることで、「あいうえお・・・」などの母音や子音の音を作り出していま す。“声帯”はどこにあるかというと、喉仏のある辺りの内側に位置します。声帯は左右二つのヒダで出来ていて声を出す時には、左右のヒダを真ん中に寄せて 軽く閉じます。ここを呼気が通る時に声帯がブルブルと振動し、この音が声の源になっているのです。
声帯の閉じ方が不完全であったり、逆に強く締めすぎてしまうことによって、嗄声(サセイ)が起こります。

【風邪の時の嗄声】
風邪の多くは、ウイルス感染による上気道(ジョウキドウ・鼻~喉まで)の炎症です。喉頭が炎症を起こすと、声帯の粘膜にも充血や浮腫(フシュ)が起こ り、左右の声帯がぴったりと閉じなくなってしまいます。左右の声帯間に隙間ができ、呼気がその間を通ってもそこで息が漏れてしまい、声帯をうまく振動させ ることができません。このために、声の源が崩れて嗄声が起こるわけです。
また、風邪が原因で咳込みが続き、声帯を何度も強く締めすぎることを繰り返すために、声帯にポリープが出来てしまい、更に直りにくい嗄声が生じてしまう こともあります。

【その他の原因】
過度な喫煙・飲酒などが原因で声が嗄れる場合もあります。これは、ニコチンなどの有害物質が喉頭粘膜に作用し、声帯の粘膜に慢性的に炎症が起きていることが考えられます。
また声を乱暴に出して声帯が過度に緊張したり、声帯を振動させている状態が長く続いたりすると、声帯が炎症を繰り返し、これがポリープの原因になること もあります。ポリープは歌手・アナウンサー・幼稚園や学校の先生・スポーツインストラクター・などのように声を出す機会が多い人に見られやすいです。

【声の衛生】
喉頭の炎症が原因の場合は、熱いものや刺激物、アルコールやタバコはなるべく控えるようにしましょう。また、無理をして声を出すと炎症は長引きますので、あまり大きな声を出さないこと、なるべく会話をしないこと、筆談の利用も良いですね。
喉の乾燥もよくないですので、水分は十分にとって、室内には加湿器を置くなどの必要性もあります。

いつまでも自分の声で過ごせるよう、たまには喉にも休息が必要です。日ごろから怒鳴ることなく、無理に声を出さなくて良い生活環境を心がけられたら良いですね。風邪にもご用心を。

 

2008.02.15

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