その咳、ほんとに風邪ですか?~過敏性肺炎~
風邪は万病のもと、というのは、症状が風邪に似たものから
始まる病気が山ほどあるということとも考えられていますね。
今回のテーマもそのひとつ。
自宅に帰ると咳が続く、その原因は以外に身近にあるという
例の、過敏性肺炎を紹介し、その対策を考えます。
1.過敏性肺炎とは
過敏性肺炎とは、アレルギー性肺炎のことを指し、カビや細菌、動物性
たんぱく質や化学物質を繰り返し吸い込むことで起こります。主な症状は
これまた風邪に良く似ており、咳、痰、発熱、頭痛、だるさなどがあります。
多くの場合が、その原因となる物質から遠のくとその症状が改善されることです。
2.肺炎の原因、それが潜むところ
肺炎の原因菌は「トリコスポロン」というカビで、その隠れ家とされるものには
次のようなものがあります。
①エアコンや加湿器内部(「空調病」「加湿器肺炎」などとも呼ばれます)
②鳥のふん尿、唾液(「愛鳥家病」「鳥飼育病」などとも呼ばれます)
③古い木造家屋
このほか、羽毛布団や、干草などにも潜んでいる可能性も疑われることがあります。
3.対策は、原因の除去
上記のとおり、対策としては原因をまずつきとめ、それを除去することです。
この病気は、既述のとおり、原因から離れれば症状が改善するということですから、
日ごろから家(カビが好む特に水まわり)をこまめに掃除する、換気に気をつける、
ペットまわりも同様ですし、布団を天日に干すなどの日常的な対策が効果的です。
対策からすると過敏性肺炎は大した病ではないと思われるかもしれませんが、慢性化
するとまれに呼吸困難などの危険な状況を招く、恐ろしい病気です。症状が治まらない
などの場合、呼吸器内科で原因を特定し、早めに対策を取るようにしましょう。