生活習慣病の極致~心筋梗塞と狭心症~
心疾患は、日本人の死因の第2位であり、その原因で最も多いのは
心筋梗塞や狭心症です。体に持っている病の伏線から毎年多くの方が
襲われ、深刻な場合命を奪われています。今回は改めてこの「忍び寄る悪魔」の
実態を見てみたいと思います。
1.原因から
心筋梗塞や狭心症は、その多くが冠動脈の硬化によって発生します。
それを引き起こす主な原因としては高脂血症、高血圧、肥満、喫煙などです。
その背景にあるものは、食生活や運動不足など生活習慣が隠れていることが多いのですが。
心筋梗塞(虚血性心疾患)は、血管の内側が弱くなり傷付いた場合、そこに
コレステロールなどが入り込み血管が塞がれていきます。この程度を測る指標が
狭窄(きょうさく)率というものですが、この率が75%を超えると危険だといわれています。
心筋梗塞が起こると、詰まった先の心筋が壊死し、心不全や不整脈を起こします。
これによるショックが起きて亡くなる場合もあります。
狭心症は、血液の通り道が狭くなって一時的に血流が低下することを言います。
薬を飲んだり薬や安静にすることで発作は治まります。
2.症状
よく聞かれるのは「胸を締め付けられるような痛み」。これは心筋梗塞可能性大です。
次のような症状がある場合には、目安は10分ですが、手遅れにならないように
迷わず119番をしましょう。
・激しい胸痛
・顔色が青く冷や汗が出る
・嘔吐や脈が乱れる
また、狭心症の場合も同様の症状が出ます。心筋梗塞に比べて時間の長短はありますが、
内容によっては他の病も疑われますので、素早い処置が肝要です。
3.対処1~応急処置
発作の時の対処をまとめてみました。まず応急処置です。
①安全な場所へ移動する。
階段の途中であれば手すり、トイレの場合(トイレは結構多いです)には
ゆっくり出て楽な姿勢を取ることです。
②椅子に座る
楽な姿勢といって横になったりしゃがむと心臓に負担がかかるため、椅子等に座る
ようにしましょう。
③衣服を緩める
とにかく負担を和らげましょう。
これらの対処を取りつつ、救急車への対応も行います(場合によっては人に助けを
求めましょう)。
4.対処2~薬と手術
薬での対処としては、硝酸の薬で狭くなっている血管を拡張したり、血栓溶解の薬で
血流を回復させるものがあります。
手術での対処は、次のものがあります。
①バルーン療法:冠動脈造影検査の後、血管を広げる
②経皮血管形成術:広げた部分をステント(金属)で補強する
心筋梗塞や狭心症は誰にでも起こる病です。その原因や対処は色々あるものの、
その最大の対策は日々の生活習慣です。体調管理や食生活、ストレスのコントロール等
最悪の事態に至らないよう、毎日の予防を心がけましょう。