目の調子には注意を払おう(上)~緑内障~
目から入って来る情報は、現代社会において大量にあります。
もしそれが遮断されたら、普段何気なく使っている「目」の重要性に気づくでしょう。
当然情報だけでなく、日常生活に多大な影響を及ぼすのです。
それほど大事な器官ですが、その疾病の中でも特に怖いものが
今回紹介する「緑内障」です。
一、「緑内障」とは
緑内障とは、目の内側の圧力(眼圧)が上昇し、眼底で視神経が圧迫されることにより
障害が発生する病です。放置すると、徐々に視野が狭まっていき、最悪の場合には失明に
至るのです。
潜伏期間が数十年と長く、また、目は二つあるということで、これも人間の神秘なのですが、
一方の不具合を他方が補うために自覚症状が出にくく、気づいた時には進行してしまっている
という、本当にやっかいな病なのです。
二、発症のしくみ
目は「房水」という透明な水で満たされており、その流れがうまくいかないと眼圧が
上昇します。流れがうまくいかない、というのは、その水の出口(隅角=ぐうかくと読みます)
の調子が悪いか、あるいはその出口自体が詰まってしまうという二種類があり、
前者を「開放型」、 後者を「閉塞型」の緑内障とも呼びます。
病全体の9割が前者の「開放型」ですが、怖いのは後者の「閉塞型」で、こちらは進行も早く、
1ヶ月も経たないうちに失明の危機に晒される場合もあるというのです。
三、対処法はあるか
病等により視神経に障害を受けてしまった場合、残念ながらその神経は回復はしません。そのため、
この病にかかれば進行を止めるか遅らせるかしかないのが現状です。中心になる治療法は薬物療法。
つまり「目薬」です。といっても侮るなかれ。目薬は進歩しておりある程度の効果は見込まれます。
ただ、進行が早い重症の場合には、レーザー治療等を経て最終的には手術によって
眼圧をコントロールせざるを得ませんが。
四、予防法は?
自覚症状がほとんどないため、なかなか予防自体困難ですが、早期発見により対処することは
できますので、定期的に検査を受けるという意識を持つことが大事です。高齢者の年齢にになると
年1回くらいのサイクルで検査しましょう。検査の種類を挙げておきます。
<検査法>
①視野検査(視野が欠けていないかどうかを調べる)
②眼圧検査(眼圧の測定を行う)
③隅角検査(水の出口検査です。状態を見ます)
④眼底検査(視神経の障害について確認する) など
このような検査で「異常なし」か「予備軍」なのかを認識するだけでも、その後の対処が
変わってきますので、今後の参考にしてください。