痛風~風が吹いても桶屋は儲からず~
これほど名は体を表す病気も少ないでしょう。
その名称のとおり、風が吹いても痛くなる病気、痛風。
今回はその症状と治療を整理してみました。
一、痛みのメカニズム
痛風の諸悪の根源は尿酸です。といっても尿酸が悪いというよりは
多く作られ過ぎるか、排泄機能の低下が病を招くのです。蓄積された尿酸は
尿酸塩となり、針状の結晶が激痛を引き起こします。それに至るまでの
症状がない予備軍は高尿酸血症と呼ばれます。
この病気は圧倒的に男性が多く、その理由として、女性ホルモンは
腎臓から尿酸の排泄を促す働きがあるためではないかと言われています。ただし
年齢とともに女性も徐々に尿酸値が上がっていきますので、油断しないことですね。
二、痛みの症状
経験した人でないとわからない激痛は文章に書くと陳腐化してしまうのですが、
とにかく痛い!の一言です。その症状は特に足に多く、歩行が困難になるほどの
痛みです。通常はその症状は10日前後で治まりますが、再発必至であり、しかも
その間隔は徐々に短くなっていくという恐ろしさです。
また、早期に尿酸値を下げる治療をしないと慢性関節炎も引き起こし、さらには
合併症(こちらのほうが命に関わります)である腎不全や糖尿病、動脈硬化などの
病の恐れもあるのです。
三、対策~正しい治療と正しい投薬~
とにかく症状が出る前の予備軍の間に、正しく治療をするために医師に相談することで
しょう。また、症状が出てしまったらその治療については合併症も視野に入れ、適切な
処置を施すとともに、生活指導や薬を処方してもらいましょう。
目安は血液中尿酸値が7g/dlの場合は生活指導、8g台は薬、9g台は併用する、などが
考えられます。
生活習慣の指導は「肥満」「過食」「アルコール」「運動不足」の解消に尽きます。
生活習慣病の改善の基本とも言えます。薬は適切なもの処方してもらいましょう。
また、どの病にも言えることですが、薬は飲み忘れに注意です。
今回はかなり怖いことを書いてきましたが、正しく対処すれば通常の生活はできている
人が多いので、とにかく「数値が高いな」と健康診断とかでわかれば、即対応しましょう。
風を怖がらないために。