2016年、新年あけましておめでとうございます。今年も皆様のお役に立てるように健康コラム更新していきます。何卒よろしくお願い致します。
では早速、今回は題名にもあるように「冬のジンワリ脱水」について知ってもらいたいと思います。
脱水について
発汗から起こる夏の脱水症の代表的な合併症が熱中症。体温が下がらなくなり、全身の臓器にダメージが及びます。
冬は乾燥しているために「不感蒸泄」が増えて、身体の中の水分が失われることで起きる脱水です。水分が失われると血液が濃くなり、ドロドロの状態になります。血液がドロドロになってしまうと、恐ろしいことが起こります。そのことは、下に簡単な説明を書いています。
冬は乾燥しており、湿度は50%以下になることが少なくありません。(身体にとって快適な湿度は50~60%です。)
外気が乾燥すると、知らない間に身体の水分が失われやすくなります。それは不感蒸泄が増えるからです。
・不感蒸泄とは
皮膚、粘膜、呼気(はく息)などから意識しないうちに失っている水分のことです。皮膚や粘膜から失われるのが全体の約80%、呼気から失われるのが残りの約20%だと言われています。気候が乾燥すると、皮膚、粘膜、呼気のいずれからも失われる水分が増えます。
冬のジンワリ脱水が起こる理由
人の約60%が水分で出来ており、その水分が少なくなると脱水を引き起こします。
その為に人は1日に約1500mlの水分が必要です。
冬の室内は屋外より10~20%も湿度が低下する傾向があります。屋外より乾燥している室内の方が不感蒸泄は増えます。
室内の湿度が低下する要因は2つあります。
①外的要因:暖房器具(コタツ・ストーブ・エアコン)の使用です。暖房器具を使用することで、湿度が低下し、不感蒸泄が増えます。不感蒸泄が増えることで、身体の中の水分が失われる事で脱水の引き金になります。
②内的要因:水分摂取を控える。暑い季節に汗をかくと自然に水分を求めますが、冬は汗をかきにくいため、発汗時に水分をとる機会が少なくなります。
あと、身体を冷やしたくないという理由から水分を控えることもあります。
ジンワリ脱水が怖いところ
ジンワリ脱水が怖いところは、身体の中の水分が少なくなって、血液がドロドロになると、脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓になる可能性が少なからずあり、脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓は命にかかわることがあります。
脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり何らかの原因で脳の血のめぐりが悪くなり、脳の組織が酸素欠乏や栄養不足になってしまい、その状態が続いた結果、詰まった部位の脳組織が壊死(梗塞)してしまったものをいいます。
心筋梗塞とは、心臓に栄養や酸素を供給している血管(冠動脈)が何らかの原因で詰まってしまい、冠動脈の血流がほとんど止まって通じなくなり、酸欠と栄養不足から、心筋の一部が壊死するほど悪化した状態をいいます。
肺塞栓とは、肺動脈に血液の塊(血栓)が詰まる病気のことです。この血栓がどこでできるかというと、9割以上は「脚(あし)」の静脈内にできます。
この血栓を「深部静脈血栓症」といいます。それが血液の流れに乗って肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となります。
肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼びます。
「ジンワリ脱水」が原因で命にかかわる病気があることを知ってもらえたと思います。
ジンワリ脱水に注意してもらい、万が一の時のために経口補水液(OS-1)を置いておくと、いざという時にすぐ、飲めるようにしておくのも、1つの手だと思います。
あと、冬でもこまめな水分摂取が大事なので皆様もジンワリ脱水に気を付けて過ごしてください。