こんにちは。日が経つにつれて段々と涼しくなってきましたが、まだ残暑もありビールが進む方もいらっしゃるのではないでしょうか。ビールでの健康被害と言えばプリン体による尿酸値の上昇ですよね。尿酸値が高いとビールを諦めなくてはいけないのか…今日はそのことについてお話ししたいと思います。
プリン体とは?
プリン体は細胞の中の核酸などに含まれる成分で、細胞が生まれ変わる新陳代謝の際に使われます。その役割を終えると、尿酸という老廃物の一種に分解されます。尿酸は主に尿から排泄されるのですが、排泄以上に尿酸が増えると、血液中の尿酸濃度が高くなります。尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症を放置しておくと血中で尿酸が結晶化して関節などに沈着して炎症を起こし、痛風や動脈硬化を引き起こします。体内で約8割のプリン体が作られるのに対し、プリン体を含む食品を摂取することで体内に取り込まれるプリン体は約2割です。この2割のプリン体を極力少なくして尿酸値を適正化していくことは必要になっていきます。
ビールの中のプリン体だけが悪いのか?
ビール500mlのプリン体は約30mgに対し、牛肉(モモ)50gのプリン体は約55mgです。これを見ると、ビールにはプリン体が多いのは確かですが、適量を守れば決して多いわけではありません。それよりもビールには別の問題があるのです。アルコールは体内に入ると肝臓で分解され、尿酸に変化します。先ほどもお話ししたプリン体が分解された後も尿酸になり、アルコール自体も尿酸になってしまいます。尿酸が体内に多くなると、尿の酸性が強まり、尿酸が尿中に溶けにくくなって体外に排出されにくくなってしまいます。
ビールは諦めなくてはいけないか?
アルコールは尿酸にとってよくないことがわかりましたが、ビールが好きな人にとっては急にやめることはできないですよね。(やめられる人はもちろんやめたほうがいいですよ。)毎日のビールがどうしてもやめられない人の為に、尿酸値を上げないようにする方法の例を挙げます。
1.尿を酸性化する食品を少な目にする。(卵、肉、魚、穀類、菓子類)
2.1日1回は果物・牛乳・乳製品を摂る。
3.1日2~2.5Lの水分を摂る。
4.ビールを飲むときはジョッキからグラスへワンサイズダウンする。
5.ウォーキング等の有酸素運動を行う。
ビールを諦める必要はありませんが、適量を守ることが大事です。ご自分の身体の声を聴いて、上手に付き合っていきましょう。
最後に、尿酸値が高い人は自覚症状がなくとも動脈硬化が進行する場合もあります。必ず医療機関を受診して、食事やアルコール量等、医師の指示に従ってくださいね。