8020という数字を聞いたことがあると思います。
80歳で20本の歯。なかなか出来ないことですが、健康を保つためには
食べ物を良く噛んで食べることが大事。そのうえで、歯は不可欠なものです。
今回は虫歯に匹敵するおなじみの病気、歯周病を取り上げます。
症状が深く潜行するので、その原因や対策について考えましょう。
1 敵はプラーク
歯磨きのムラによって、歯に白または黄白色の粘着性のある物質がつきます。これがプラークバイオフィルム、略してプラークといいますが、歯周病の原因はこれです。
多くの細菌が宿っており、これが感染を起こすのです。免疫力が低下してしまうと、細菌の活動が活発になった際に歯肉などの、いわゆる歯周組織が破壊されます。歯周病の始まりです。
2 進行は恐怖の段階を経て
大別すると、歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられ、初期症状が歯茎(はぐき)の炎症、歯肉炎です。
この段階であればブラッシングでの治療が可能です。
歯周病の症状には、口の中がねばねばする、歯茎の炎症、歯磨きの際の出血などです。
咀嚼(そしゃく)不全や、口臭等の場合も疑われます。大したことないと油断するなかれ。放置すれば
歯槽骨(しそうこつ)まで影響が出て、歯が抜けることもあるのです。
さらにさらに恐ろしいのは、歯周病との関連を挙げられている病気に、糖尿病、呼吸器系疾患
(誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)など)、低体重児早産などがあるのです。たかが歯の病気ではないのです。
歯のことだからと放置して何十年か後にしっぺがえしを食らう、そのような病気が歯周病なのです。
3 治療は制御(プラークコントロール)
歯周病の治療の基本は、プラークを取り除くこと、つまり、プラークコントロールです。
プラークは、放っておくとおよそ2日で歯石になります。こうなると歯磨きでは除去できません。
なので、プラークのうちに取り除くことが必要です。日々のこまめな歯磨きを行い、ブラッシングで
プラーク退治を毎日行いましょう。
そのうえで、定期的(理想で言えば3~6ヶ月に一度)検診を受けましょう。プラークの除去や
他に気になる症状(歯茎の腫れや出血)があれば、歯科医師にしっかり診てもらうことが肝要です。
全身の健康のなかでも、口の健康は要です。虫歯と同じように、病が広がる前に早期対処に備えておきましょう。